学会報告・5

2024/11/13(水)

皆様こんにちは、院長の桝谷です。


2024年も残すところ、約2ヶ月となりました。

ラストスパートで頑張ってまいります!


さて、去る10月27日(土曜日)に、第230回 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 北海道地方部会 学術講演会が開かれました。

毎年恒例になっておりますが、今年は「当院における鼓膜穿孔に伴う二次性真珠腫・鼓膜粘膜相への上皮迷入症例の検討」という演題を発表してきました。



当院は日帰りで局所麻酔下に耳科手術を道内で唯一行なっているクリニックとして、

患者様にかかる負担を減らす努力を追求していく必要がありますが、

その代表的疾患として鼓膜に穴がある事による耳漏(じろう)や聴力低下、耳鳴を発症している患者様がおられます。

この治療を行うにあたり、解剖学的構造物に注意しながら鼓膜穿孔周囲をどのようにトリミング(綺麗にする)を行うか、

血管床(形成した新しい鼓膜)へどのように血流を確保するか、という事を常に念頭に置きながら手術プランニングを立てるのですが、併せて重要な事がもう一つあります。

それは、鼓膜に穴が空いている人に一定数見られる「鼓膜の裏面に発生した皮膚の迷入と、真珠腫の併発」です。


これを正しく評価せずに施術を行うと、術後に中耳腔(鼓膜の内側)に周囲の骨を破壊していく上述した真珠腫が増殖してしまい

各種合併症を引き起こしていってしまう事へとつながります。


ですから常にその事を考慮した上で治療にあたる訳ですが、事前の鼓膜所見だけでは100%完全に除外する事が大変困難です。

では、「どのような症例でそのことに最も注意しなければならないのか」という点に関する検討です。



今回の検討結果を元に、更なる診断技術・治療方法の確立を目指していきたいと考えています。

我々の検討報告が耳鼻科医の道を歩き始めた先生方にも何かしらのお役に立てれば幸いです。

そしていつの日か共に歩んでくれる志ある耳鼻科医が訪れてくれれば嬉しいな。。と思いつつこのブログを締めさせていただきます。




今年もあと2ヶ月、患者様の笑顔や感謝の言葉には本当に救われております。

この笑顔を守るためにも、辛いことは吹き飛ばして日々頑張っていきます!

  


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ちなみにいつも通りの会場だと思い開始時刻の15分前到着目標に自己判断で向かうと、誰もおらず・・・

『え!?』と思い、

「あ、もう一つの場所か。ふー・・」と、ほっと一息つき、そちらに向かうも・・


これまた誰もおらず・・!!


かなり焦りました。

自分を落ち着かせ、藁にもすがる思いで仲良しの北大の先生に連絡したところ、

今年は場所が変わっているぞ!間に合うか!?」と。

そこから、黄金の銀杏並木と大勢の観光客を背景に颯爽と駆け抜け会場に発表5分前に到着!!

無事に演題発表はできました。


いつもこうだからこうだろうという思い込みは本当に良くないことを改めて実感しました。

事前確認は本当に大事ですね。。

(きちんと事前配布されていたパンフレットには場所が記載してありました・・・すみません)


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