耳鳴り

「耳鳴りは治らない」、「医者に様子をみるしかないと言われた」、「疲れがたまってくると耳鳴りが大きくなる」、「病院にかかって薬をもらって飲んでいるけど状態が変わらない」、「日中は気にならないけど夜静かになると耳鳴りがうるさくなる」、「何かに夢中になっていると耳鳴りは気にならないけど、休むと途端に耳鳴りがうるさくなる」など思い当たる節はありませんか?

まずは耳鳴に対する正しい知識を得ることが一番大事になります。当院ではまず耳鳴に対する考えを改めてもらい、正しい知識の習得、カウンセリングを元に個々人にあった治療方法を提案させていただいております。また、積極的に耳鳴治療に取り組むとともに、さらに有効な治療方法がないかを検討しております。

耳鳴とは?

耳鳴は主に自覚的耳鳴と他覚的耳鳴に分けられます。簡単に説明しますと、自分だけにしか聞こえない耳鳴と、他人にも聴取可能な耳鳴という意味です。他覚的耳鳴とは耳の周囲の筋肉の音、骨・関節の音、周囲の血管雑音を拾っている場合や、耳管機能不全に伴うもの、中耳腫瘍、頭蓋内の硬膜動静脈瘻などの重篤な疾患が原因となっている場合があります。

このうち、自覚的耳鳴が多くの患者さんの訴える耳鳴になります。この自覚的耳鳴は、難聴性耳鳴と無難聴性耳鳴に分かれます。その名の通り、前者は聞こえが悪いことに付随して起こっている耳鳴で、後者は聞こえが正常であるにも関わらず起こる耳鳴です(ただし、無難聴性耳鳴の定義に入るのは、あくまで通常の標準純音聴力検査での結果であり、患者さんの中には普段検査しない音域の閾値上昇が見られている場合などがあります)。

難聴性耳鳴の中でも急性発症の難聴に伴うものであれば、難聴を治療することで治癒する可能性があります。

一般的に治療に難渋するのが、難聴が遺残してしまった場合や無難聴性耳鳴です。多くはまず薬剤(安定剤、耳鳴治療薬、循環改善薬、抗うつ病薬、漢方薬など)により治療される事が多いですが、有効率が低いのが現状です。これがドクターショッピングを繰り返す患者さんを生み出してしまう原因となります。

このような薬剤抵抗性の耳鳴に対して光を差し込んだのがTinitus retraining therapy(TRT)という治療法です。これは、1990年にJastreboff先生が提唱された耳鳴の神経生理学的モデルを基に、「カウンセリング」と「音響療法」を組み合わせた治療方法です(日本では2001年に同治療方法が報告され、普及しきています)。

ちなみにこの神経生理学モデルとは、簡単に言うと以下のようなものです。実は常に耳鳴というのはなっているが、それを脳が「重要な音ではない」と判断しているため意識に上がらない、つまり音が鳴っているとは感じていない。

しかし、何かをきっかけに耳鳴の元となる音に対して意識するようになると、脳がこの音を危険な音と判断して意識へ上げてしまう。そうなると耳鳴に対する不快な気持ちが生まれたり、何か重大な病気が隠れているのでは?という不安感なども生じることで、さらに耳鳴に対する感受性が高まり、負のループが形成され耳鳴が悪化していくというものです。

治療

ではこの耳鳴に対してTRT含め、実際にはどのような治療をするの?と疑問に思われるかと思います。そのためには、まずは耳鳴の原因が何から来ているのかを判断する必要があります。長年耳鳴・難聴で経過をみられていた方が、実は腫瘍が原因であり、かなり進行してから原疾患の治療をする経過になってしまったというケースを経験した事があります。そのため必ず自己判断で済ませずに、「耳鼻科医」の判断を仰ぐ必要があります。

その上での治療となりますが、当院では、まず現在の精神状態・性格・睡眠状態・生活史に関する詳細な情報収集を行います。そして引き続き問診をとりますが、その問診と前述の情報を合わせ、その方にあった治療方針を決定していきます。個々人が今まで築き上げた生活スタイル、今までどのような人生を送ってこられ、現在どのような環境下で生活されているかにより治療方法が異なります。

基本的には、上述した耳鳴に対する負のループ形成を解除するためにカウンセリングを中心に必要な薬剤のみを使用し治療を行っていく訳ですが、治療に難渋する場合には音響療法を加えていきます。ひとえに音響療法といっても、環境音の利用、補聴器や耳鳴治療器(TCI、ZEN、マスカーなど)の使用とあり、個々人にあった機器の選択、さらに使用機器についてもどの程度のレベルからどの音源を使用するか、どちらの耳に使用するか、使用頻度をどうするかなど個々人によって異なっていきます。そのため必ず機器の使用にあたっては経験・知識が必要となるため、専門の医師に判断を仰ぐ必要があります。

ですが、うまく治療ができると有効率が6~8割との報告が多いため、一つの選択肢として考えるべき治療方法であると言えます。ちなみに当院では2000年に同じくJastreboff先生が提唱された臨床指針に基づき、さらに経験をもとに少しアレンジを加え個々人の治療方針を決定しております。

自他問わずお困りな事がありましたら、一度ご相談いただけたらと思います。少しでも皆様のお力になれれば幸いです。

当院での耳鳴に対する検査

  • 標準純音聴力検査
  • 標準語音聴力検査
  • 自記オージオ
  • SISI
  • DPOAE
  • ピッチ・マッチ検査
  • ラウドネスバランス検査(側頭骨CT検査、耳管機能検査、アブミ骨筋反射検査、超音波検査)

すでに耳鳴り治療器・補聴器をお持ちの方へ

すでに「補聴器」や「耳鳴治療器」をお持ちの場合、それらを調整することで、耳鳴治療に使用できる可能性があります。そのため、もしもこれらをお持ちの方はぜひ当院にご持参ください。必要に応じて行う各種検査の料金は発生しますが、持参の機器を調整するための費用などはかかりません。ご不明な点などございまたら、お気軽に当院へご連絡ください。